中性色の服ばかり着ている

タイプミスしたら即終了

221104 似ている街の夢

街を歩いていると、それまでに通り過ぎたことのある場所をふと思い出すことがある。駅前の二階建ての駐車場とか、住宅街の細い道とか、大通り沿いに歩いていると見えてくる交差点の光の集まり具合とか。デジャブというのではないんだけど、ほんの少し似ている要素や雰囲気があるだけで、無意識のうちに記憶の中から同じような景色を見つけて勝手に当てはめている。そもそも同じ国なんだから似ている場所なんて無限にあるのだろうが、俺の脳は知らず知らずそれらのデータを分類してしまうようだ。
昼寝をした日には、よく明晰夢を見る。夢の中の俺がいる場所は、街中だったり建物の中だったりするが、いずれにせよこれまでの記憶の蓄積の中から生み出されたものであることは疑いようもない。全然旅行とか行かないし海外に行ったこともない俺だけど、そんな乏しいリソースからでも生成される世界はバリエーション豊かでいつもたくさんの発見がある。夢の世界を歩きながら、ここはあの街に似てるなとか、俺けっこう想像力あるじゃんとか思って楽しかったりもする。たまに、映像で見たことしかない場所にも行く。灯台とか教会とか。視覚情報でしかない映像の景色に、現実のいろいろな場所で得た、その場に立っている感じとか空気感とかそういううまく言えないけど肌感覚的なその感覚がピッタリハマって、「今自分は灯台にいるんだ」ということを完全に””理解””できたときは、面白すぎて夢の中にずっといたくなる。もちろんそんなにうまくいくことの方が少ない。
書いてて急に思ったけど、夢の中が舞台のホラーゲームがあったとして、最終ステージが一切破綻のないリアルな現実の自室だったらエモくないですか? もうありそう。

帰り道、音楽を聴きながら歩いていると、急に聴いている曲が良くなってびっくりした。サブスクにもYouTubeにもないので貼れないのだがthe 4thのForce of windという曲で、この曲が収録されているRyu☆のファーストアルバムはノンストップミックスになっている(こういう本筋にあまり関係ない細々した説明ってどのくらい文量を割いていいのかいつも悩む)。10年以上流し聴きしてきたその曲が急に「個」としての存在を俺の前に表し、俺はその曲がダンスミュージックであるということを唐突に理解して踊り出したくなった。DJをやりたい、と猛烈に思った。もちろんDJをやるには引き出しもセンスも何もかもがないんだけど、この曲で盛り上がってる人たちの真ん中にいたいと思った。環境によって音楽の聴こえ方が変わることはたまさかにあるが、ここまで急激な変化ははじめてだし理由もわからない。なによりシラフだったし。でもまあ感じ方が研ぎ澄まされてきているんだと思うことにする。