中性色の服ばかり着ている

タイプミスしたら即終了

221119 非常用電源

今日は仕事でいっぱい電話をかけた。電話は恐ろしい。自分がどんな失言をするのか想像もつかない。
急にぶん殴られる可能性がある対面での会話と比べれば、最悪受話器を置けばいいだけの電話の方がはるかに安全なはずだ。電話口でいきなりキレるヤバい人はそうそういないし、みんな要件を聞いてそっすかーと言うだけだと分かっている。なのに電話の方が本能的に怖さを感じてしまう。人前で発表するときとかもそうなんだけど、電話してるときの俺は完全に非常用電源のみで動いている。電話口に相手が出た瞬間に自分の意志では制御できない何らかのスイッチが切り替わり、俺は思考や理性を失い、決められた要件を自動的に話すだけの機械になる。普段人と話しているときのように、自分の判断と感情に基づいた自然な言語を話すことができない。電話中に横から指示されたりなんかした日には、五感を取り巻く全てがイレギュラーな状態になったと脳が誤解してマジでパニックになる。だからなるべくなら電話はかけたくないし取りたくないのだが、賃金を貰って働いてる以上そうも言ってられない。案ずるより産むが易しという言葉のように、何事もエイッと始めてみれば案外どうにかなるものだ、と成功している人はみんな言うが、何百回エイッと受話器を取っても俺の電話に対する苦手意識が消えることはない。これも訓練だと思い頑張って50人くらいと言葉を交わしたが、その経験値は非常用電源で稼働している限りは決して俺の本体に溜まることはない。

夜も夜、いつものように遠回りして帰ってたらカレー屋の建物にめちゃくちゃでっかい両目が描いてあるのが見えてビビりすぎてちびるかと思った、建物にめちゃくちゃでっかい両目を描くな。その瞬間はうつむき加減に歩いてたんだけど、近眼の視界でもなんかビビった方がよさそうな物体がある、ということを本能的に感じて、目という器官がいかに人間にとって強い意味を持つ存在なのか改めて考えさせられた(7秒くらい)。そういえば小さい頃、近所の眼科の看板に描いてあった目が怖かった。怖かったっす。