■宝塚大劇場 月組公演 ゴールデン・リバティ/PHOENIX RISING
ついにチケットを手に入れたぞー!
初めてのヅカ観劇だ。今変換ミスして感激になったけど実際感激もした。
なんか変な振る舞いをしたら殺されるんじゃないかと戦々恐々だったけど普通にしてたら普通だった。
宝塚大劇場、まず中がめちゃめちゃ広くてゴージャスで、ここからは夢を見せる時間だぞ!という気概を感じる。広すぎて空港かと思った。中に郵便局まであるし、何というか、長い時間をかけてより人々の望む形になってきたんだろうな、と思った。
劇場も広い!! 舞台のあのオーケストラピットの上の細い道怖いね!? みんなノールックで歩いててすげえ。こいつさっきからめっちゃ初歩のことで驚いてるな。
お話は、19世紀後半のアメリカが舞台で、強盗団の元メンバーである主人公ジェシーがいろいろあって再び列車強盗に加担するハメになり、なんやかんやで謎の女性アナレアとサーカス団に逃げ込み、そうこうするうちにいい感じになるという話。ポスターのイメージからザ・西部劇みたいなのを想像してたけどそこまで荒野ではなかった。でも西部劇の酒場のあの扉は出てきたので嬉しかった。
最初に印象に残ったのは舞台装置のすごさ。列車という舞台をさまざまな形で表現してるしもちろん列車そのものも出てくる。ぐるぐる回ってる舞台の上で転んだりはみ出したりせずに踊り続けるのすげー。
あとやっぱり男役の存在感がすごい。間近で見たらまた違うのかもしれないけど、2階でわりと離れてた俺の席からだと完全に男にしか見えなかった。プロのメイクとヘアスタイリングってすげー。
低い声であんなに伸びやかに歌えるのもすごい。超ビブラートのときに膝に置いてた俺のカバンが共鳴してビリビリしてたときあった。それも単に声が低いというだけじゃなくて、途中で貫禄のある女性のキャラも出てくるんだけど、「声の低い女性キャラ」「男性キャラ」では明確に演技も違っててそれがすごいと思った。
エンタメを浴びまくった90分、いやー凄かったなぁ……と思ってたのだが、その後のレビューがもっとすごかった。
宝塚歌劇の公演は2部構成になっていて、前半がミュージカル、後半が歌とダンスがメインのレビューがあるということは知ってたんだけど、このレビューがさ……ちょっとここで色々ごちゃごちゃ言うより見てもらった方が早いと思う。ゴージャスという概念を凝縮したエキスを原液で飲まされてるような感じ。「もうクライマックスか……いやぁ凄かったなぁ」って10回くらい思った。
タイトルの通り不死鳥がテーマらしく、まず孔雀の羽根を模したピカピカ光るド派手な舞台装飾に度肝を抜かれる。黒と金のきらびやかな衣装を着た人たちが羽の扇みたいなのを持って続々と出てきて、その時点でもう人が多すぎて怖かったんだけど、そんなこと思ってるのも一瞬で、とにかくめまぐるしく画面が変わっていく。PHOENIX RISINGというデカい文字がピカピカ光りながら降りてきて虹色に輝き出した時点で一日に摂取していい"派手さ"の総量を超えてるんじゃないかと思った。おなじみのラインダンス、そして様々な映画のジャンルをテーマにしたダンスが続く。(この2つ順番逆だったかも)かと思えば今度はまた舞台ががらりと変わってオリエンタルな雰囲気になり、トゥーランドットの誰も寝てはならぬが流れ出す。なるほどアジアの国々をテーマにしたダンスが続くんだなと見ていたらインド、中国、タイ、韓国ときて次にピラミッドが出てきていやどういうルール!?!?と思った。すごい、こういうことしていいんだと思って感動した。いいんだよな別に。舞台が変わるごとにもちろん衣装も変わる。それぞれの国のイメージを出しつつ、中心に立つスターがより際立つような差別化がなされたデザインはそれだけで見る価値がある。このレビューだけで10種類以上くらい衣装が変わってて、どんだけ作ってんの?? どこに置いてんの??? と心配になる。このペースで行くと何百年後かに地球全体の容積を超すんじゃないか。そう思えるくらい衣装がバリエーション豊かで眼福だったんです。
そして最後はもちろん、宝塚歌劇を象徴するあのデカ羽をつけてスターが大階段を降りてくる。あの階段も怖いなー。みんなよく落ちないな。あの階段で男役たちがキビキビ踊るところは、背景が直線なのでより一層洗練されて見えてかっこよかった。
総じて良い経験だった。これから先ゴージャスを謳う表現を見ることは何度もあるんだろうけど、一度ここで本物を見ておいたことでより細かく見れるんじゃないかと思う。また機会があれば見に来たいな。というかシンプルに見たい過去の作品も多いんだよな。ブラック・ジャックとかHiGH&LOWとか。
この前親に聞いたんだけど俺小さい頃宝塚ファミリーランド行ったことあるらしい。記憶になさすぎて怖すぎる。