中性色の服ばかり着ている

タイプミスしたら即終了

230303 第2回 萌え音発表会

どうしても世界の解像度のあの部分について誰かに伝えたかったので、半ば一発ネタのつもりで前回の萌え音発表会をしたのだが、聴いているとき以外意識しないというだけで、思ってた以上に俺にとっての萌え音はたくさんあった。
昔、5ちゃんねるが2ちゃんねるだった頃、音楽ゲーム板に萌え音スレがあって、みんなが音ゲー曲の好きな部分について思い思いに語っていた。音ゲーは曲をよく聴いて音を拾うことがプレイに直結しているので、好きな音の存在を意識しやすいのだろうか。ともあれ、今こうして「萌え」という時代がかった言葉をわざわざ使っているのも、言葉として古くはあってもあの頃の感覚とそう変わりはしないだろうと、まあ平たく言えばしっくり来るからである。たまに思い出して検索してみるが、あのスレはもうないみたいだ。みんなツイッターやらに場所を変えて、今も思い思いに語っているのだろうか。俺も今たまたまここにちょうどいいチラシの裏があるのでひとり備忘録がてら書いている。前回書いてみて思ったが、言葉にしてちゃんと説明するとよりその音が愛しくなる。
前置き長いな。意識してそうなったわけではないのだが、今日はWACK特集だ。

EMPiRE「FOR EXAMPLE??」のサビで鳴ってる音

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去年6月、解散と同時にExWHYZと名を変えて再結成した(株式会社WACKはよくそういうことする)アイドルグループ、EMPiREの1stアルバムの1曲目。まだWACKが今ほど大所帯ではなかったころで、他のパンクパンクしてるグループとは違うオシャレでダンサブルな雰囲気に、そういうのもやるんだ!と思ってワクワクしたのを覚えている。この曲も、名前を変えた今も受け継がれているなんか新しそうでオシャレそうなEMPiREらしさが全面に出た曲だと思う。この曲のサビ(と俺が思っている部分)に歌詞が詰め込まれておらずインストっぽいのもEDM感あってかっこいい(素人の意見なので違ったらごめん)。
んで俺が萌えるのは、1-3サビ共通で後ろで鳴っている低音のシンセ?の音が、サビ前半では「デー デー デー デー  」と短いのに対し後半で「デーデーデーデー」と連続的になる部分。

出ました、のびのび効果。サビの前半でセーブしていたエネルギーを開放しているようで、すごく好きな部分だ。ただこれをスプレッドシートに入力するために何度も聴いていたら、前半にも1音だけ長い部分があることに気づいた。音が上がる部分だから、つなぎとしての役割をしているのだろうか? よくわかんないけど、プロが意識的にこれを仕込んだんだろうな……というポイントを見つけるとワクワクするな。
あと何度も聴いてたらデーデーデーデーじゃなくてデデデデデデデデにも思えてきた。教えて有識者

 

アイナ・ジ・エンド「金木犀」のサビ終わりの音が上がらないところ

これはこの曲を聴いたら全員思うはずだから図にするまでもないだろう。

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BiSHのメンバーでソロでも活躍しているアイナ・ジ・エンドの曲。金木犀というモチーフは懐かしさとかアットホームさとか温かげなイメージが先に出てしまいそうなものだが、この曲は甘く強い香りという特性の裏にある官能的な雰囲気とか影が表現されていてすごい。それと全く同じ理由で(このPV細すぎて開くたびにスクロールしすぎたかと思う)もめちゃめちゃ好き。あとBiSHの曲でちんこちんこ言ってるノリでもなく普通に淡々とした感じで「まぐわい」という単語がいきなり出てくるので毎回中学生のようにドキドキしてしまう。
一応どこが萌え音なのか説明すると、サビ終わりの「影 影」というフレーズが、音が上がりそうなのに上がらないところだ。ツイッターでもYoutubeのコメント欄でもみんな言ってるけど、言いたくなるのも納得のめちゃすごフレーズだ。2サビでは音が上がって間奏に繋がるのだが、ラスサビはまた同じに戻って、それもオケの方はもう、テレレテレレテレレテレレ↑って曲の終わりに向かってどんどん盛り上がっていくのに、ボーカルだけは結局上がらずに終わるから、そのテンションの対比というか、押さえてる感じが逆に、そこに内在する情みたいな、心の内面にある影というかうまく言えないどうにもならないものの存在に嫌でも気付かされる感じになっていて、このラスサビを聴くたびにウオーってなって熱くなる。中が。中が熱くなりたいときに聴いてる。

 

Plastic 2 Mercyのサビ

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この曲はWACKの楽曲群の中で特にバリエーションが多い。俺が認識しているだけでプラニメ、POP、ギャンパレ(7人)、シャッフルユニット、ギャンパレ(13人)のバージョンがある……と認識してたけど調べてたらわかんなくなってきた。歌い始めの「ギャンパレ」という部分も「プラニメ」「ピリオド」と都度変わってきて今の形になっている。ギャンパレの変遷を象徴する、WACK史において特に重要な楽曲のひとつなのだ。そういう重みのある曲、いいよね……。
こちらも図解するより聴いてもらったほうが早いのだが、俺の萌え音はサビの「テレレレッテッテッテッテテレレレ」というフレーズだ。見出しにはサビと書いたが、このフレーズはサビ前の溜めの部分を除いて、曲のド頭から最後までずっと反復されている(繰り返しじゃなく反復って書くとプロっぽくてかっこいい)。それがサビに入ってひときわ主張する。その後に歌詞が来る。ギャンパレの歴史が……とか書いたけど、俺がどういう気持ちでこの曲を聴いているかというとそれはズバリ、カップリングのイメソンであると言わざるを得ない。それも特定のカップリングというより、誰かが誰かに対して抱いている強い感情を高純度で摂取したいときにこの曲を聴いている。ラブソングはいろいろな言い回しで愛を伝えようとするが、切実になればなるほどどうやっても言い換えることができなくなる感情もまた存在しているのではないか。その研ぎ澄まされた感情の究極の形をこのテレレレッテッテッテッテテレレレに感じるのだ。そして後に続く歌詞も最高だ。「僕/君がいない未来見ない 色褪せる」「僕/君がいない未来見ない未来 ありえない」僕あっての君、君あっての僕。その二者以外なにもない究極的な理想の世界が歌の中でだけは存在しうるのだ。
何言ってんだこいつ、キモすぎる。キモくならずに語ることができない。まあ、そういうどうしても熱くなっちゃう曲がないよりあった方が楽しいんじゃないですかね。人生。これ書きながら大音量でPlastic 2 Mercyを3回くらい聴いてたらなんか疲れてきた。

それではまた次回の萌え音発表会でお会いしましょう。