中性色の服ばかり着ている

タイプミスしたら即終了

221026 普通の献血


成分献血に行ってきた。献血を始めたころはけんけつちゃんのぬいぐるみを撮ったり景観にいちいち感動したりしていたが、10回を越えるともう特別感もなくなってきて、淡々とシステムの流れに身を任せるようになる。当初は少しでも創作のネタにしようと採血室をきょろきょろ見渡していたものだがそれも飽きて、備え付けのテレビでボンヤリと青汁のCMを見ているうちに90分が過ぎている。国内の値上げが全体的にヤバいというニュースをやっている。先月もここで円安のニュースがずっと流れていたなと思い出し、しょんぼりした。

案内してくれた看護師さんが親切な人で、温かくすることがいかに大事なのか早口で語ってくれてなんとなく好感を持った。献血ルームの人はみんな優しい。匿名掲示板で日常的な平和な話題を見るのが好きで、献血のスレが立っているとつい開いてしまうのだが、「献血ルームの看護師さんに話しかけると器具のこととか色々教えてくれる」という内容の書き込みを複数回見た。私も知れるものは知っておきたいし、「ここでしか得られない情報があるなら得たい」といつでもどこにいても感じているのだが、どうにも自分から人に話しかけることが苦手すぎる。
献血をする上ではとにかく体内に水分を入れておくことが大事なので、飲み物がなくなったら持ってくるから呼んでくださいと毎回言われるが、自分から言い出せたことが一度もない。向こうとしては水分不足で倒れられる方が困るだろうし献血する側が気にすることではないのだろうとは思う。が、それでもなんかパシってるみたいで嫌だし、もしドリンクサーバーに先客がいた場合、その人の分が出てくるまで看護師さんは何もできずにじっと待つことになるわけで、その十数秒が途方もなく無駄で取り返しのつかないものなのではないかと思えてしまう。

どこのルームも漫画本がめっちゃ置いてあるけど、献血ルームでひとシリーズまるまる読破した人っているんだろうか。終わった後の休憩をかなり長く取るとしても読めて2〜4冊ぐらいだと思うし、途中まで読んで半端な記憶を抱えたまま続きを読むでもなく生きていくということを想像するととてもうんざりしてしまう。これは俺が世の中の作品を「履修」してきた数がとても少ないことにコンプレックスを抱いているのと関係があるかもしれない。一人も知らないVtuberたちが表紙を飾るDIMEを棚に戻し、献血ルームをあとにした。

帰りに寄った百均で、目当てのものがありそうな棚の前に先客がいて、少し離れたところで全然興味ない商品を見つつそれとなく空くのを待ってたら先客がどいてくれて、だけど実際は目当てのものがその棚にはなかった、こういうとき何も悪くないのに罪悪感を感じる。