中性色の服ばかり着ている

タイプミスしたら即終了

230216 いますかっていねーか、はは

怪談というか怖い系の本を読んだけどあんまり怖く感じなかった。
わりと複雑な内容だったので、単にバカすぎて頭がついていってないだけというのも確実にあるが、薄々気づいていたがそもそも俺にはホラー作品を楽しむ素養がない。それは恐怖への耐性があるということとは全く違う。ただ単に共感力と理解力の両方が欠落しているのである。ヘレディタリーもミッドサマーもピンと来なかったし、OMORIも恐ろしげに感じるシーンはあったがチビるほどではなかった。大きい音で驚かされるのもギョロ目で歯茎を見せてくる怪物ももちろん超イヤなんだけど、言うて現実ちゃうしなあ……と思ってしまう。その分現実の凄惨な事件は本当に読むのも耐えられないんだけど。
俺にはなにもないが、特に一番欠けているものは何かと言ったら当事者意識ではないかと思う。世の中のニュースに出てくる代名詞のどこにも自分は属してない気がしてしまう。何もかもが他人事に思える。その分自由でもあるし、このストレス社会をいなしていく上で必ずしもデメリットなだけではないと思っているのだが、作品の世界くらいはちゃんと感情移入できるようになりたい。
興味はあるんですよ。ゲームをはじめ、怖い作品に対して興味だけはあるのだ。SteamでOUTLASTとHomesickとLayers of Fearをセールのときに買うだけ買って放置しているうちにパソコンの空き容量がなくなってしまった。CALENDULAは結構不気味でよかったけど割と早い段階でどういうことか理解ってしまった。そういえば一個だけめちゃくちゃ怖かったというかビビったシーンのあるゲームがあった。Steamじゃないんだけど、みにくいモジカの子っていう、いじめられっ子が主人公のクセのエロゲーエロゲーほとんどやらない(高いから)んだけどあれは絵も音楽も鬱々とした雰囲気も全部ツボだった。ストーリーもなかなかクセが強くてよかった。決してホラーゲームではないのだが、だからこそ丸腰でクソビビることができたシーンがあって、それはなかなかいい経験だったと思う。ネタバレ配慮してると何も伝わらない文章になるな。
小説でも、ちゃんと怖かったなとすぐ思い出せる作品はある。貴志祐介先生の「天使の囀り」。平たく言うと、人を不快や危険の源に向かわせるという寄生虫が出てくる話なのだが、あれヤバくないですか? 思い返してみるとあれも大概難しい話だった気がするがそれ以上にヒタヒタと迫ってくる恐怖があった。自分自身というハードが壊れて異常な挙動をするようになるという恐怖は、お化けや自分以外の狂人に襲われること以上に逃げ場がない。そして最後にたどり着いたあの恐ろしい景色といったらない、挿絵もないのに文字だけであんな生理的嫌悪を催させるのは文才という他ない。
ネット上で見れるもので言うと、SCP-JPのサインポールのやつが妙に怖く感じたのを覚えている。Webサイトならではのギミック盛り盛りの報告書もいいのだが、文章のみで構成されているものの方が後引く怖さとしては強いのではないか。口の無い人型生物ってなんだよ不気味すぎる。そいつがサインポールを伝ってこっちの世界に来るのか……? 来ない……のか……? その先までは描かずにとりあえずヤバそうだから今後触らないことにしますで終わる報告書が一番余韻というかうっすら不安で眠れなくなる後味の悪さがあると思う。夜寝ようと思って電気を消したあとに、窓の外にそいつが来てるんじゃないかといううっすらとした地続き感を感じてしまう。スケールがデカいほど雰囲気にのめり込めなくなるのってSCPあるあるじゃない? 俺だけか。
そういったことを書こうと思いながら作業をしていたら、仕事場で流れてるラジオで雨穴さんの変な絵の話してた。図書館で予約してるけどいつ頃お会いできるのかはわからない。

思いつくままに書いてただけなのに結構長くなって驚いてる。以前文フリで配布したペーパーで検索してはいけない言葉の思い出を書いた時も長くなって驚いた記憶がある。あと思ったよりちゃんと色々怖がってるな。
恐怖という感情への興味はずっとあるんすよ。数多ある感情の中でも恐怖にはなんとなくカッコよさを感じてしまうし、そんなクールでミステリアスな彼と仲良くなりたいと思っている。脳味噌の間に指を差し込まれるようなイヤな作品を書いてお前らをメタメタにしてやりたいという気持ちはずっとある。根が逆張りにできてるもんで、こうして毎年冬に怪談の話をするという習慣をつけるのは悪くないかもしれない。そうしていつか本当に怖い文章を書けるようになったら褒めてほしい。