中性色の服ばかり着ている

タイプミスしたら即終了

230220 しごやく エレベーター編

仕事中に考えたくそやくたいもないこと。エレベーターの中でパンフレットやチラシが配布されているのを見たことがない。今日ふと思ったのだが、数秒から数分の手持ち無沙汰さが確約されたあの空間こそ手に取ってもらいやすい環境なのではないだろうか。チラシって設置する場所が悪いと泣きたくなるくらい捌けないのだが、本当に人が集まる捌けやすい場所はそれはそれでもっとマネタイズできるものに取られている。だからこそですよ。今当たり前になっている空間の使い方を問い直すことで、新たな相乗効果が生まれるのではないか。竹花貴騎が言ってたクロスシンキングってやつだ。

とはいえエレベーターにチラシを置かない理由もたくさん思いつく。電車とかもそうだが、とにかく人を運べるだけ運ぶのが目的の設備ではできるかぎり使えるスペースを潰したくないはずだ。それに補充や片付けがめちゃくちゃ大変になりそうだ。密閉された空間は、それゆえに誰も見てないと思ってポイ捨てしたりするカスがどうしても発生してしまうのが利点と表裏一体の欠点だ。丸められたり散らかされたりしたチラシを想像するだけでイヤになる。いつどこに止まるか予想ができないので定期的なメンテを実施しづらいというのもあるだろう。あらゆる目的を持った人たちが利用する共用設備だから、その中の一社だけがチラシを置いていたとして、それが毎日荒らされまくっていたら他のテナントはいい迷惑だ。そういうわけで、俺は考えた。一つのビルがまるまるその企業だけで占められた超ハイソ金持ちビルではどうか。それなら民度も高いだろうし他の企業が割を食わないし、エレベーターボーイなりガールなりを雇っておけばより平和に保たれるはずだ。でもそんな金持ちな企業は必死こいてチラシを配る必要もなさそうだから結局実現はしないんだけど。

ここまで一文字残らず想像だけで書いたけど、マジの金持ちの法人なり個人が持ってるエレベーターは俺の知るものとどこか違いがあったりするんだろうか。庶民が知らないだけでふかふかのソファやドリンクバーくらい標準装備になってたらどうしよう。お前はまたそれかと思われそうな話なんだけど、世の中の大部分は俺の知らないあるあるで満たされていて、俺が知ってるこの狭い狭い世界から少しでも出た部分のことを想像で書くとき、あれもこれも違うのではないか、想像だけでは絶対に避けることができない落とし穴があるのではないか、と思ってとても怖い。根が取材嫌いにできてるもんで、もしこのブログを読んでる人の中にマイエレベーターをお持ちの方がいたとして、俺の創作物に出てくるエレベーターやその他俺の持ち得ないようなものについての描写がおかしかったとしても、そういうファンタジーなんだと思って許してほしい。エレベーターはきわめて緩慢な速度で上昇をつづけていた。←「つづけていた」が開いてるのが文学っぽくてカッケー。