中性色の服ばかり着ている

タイプミスしたら即終了

230108 コーヒーの話 Part.3

初心者セットについてきたコーヒー豆が切れたので、珍しくカフェに行って買ってきた。はじめてなのでうまく買えなかったらどうしようとか、俺の知らないコーヒー豆ガチ勢の不文律があって下手な動きをしたら殺されるんじゃないかとか思っていたが、普通に陳列されているものをレジに持っていったら買えた。Tips①:商品をレジに持っていってお金を払うと、買える。壁一面に並ぶ色とりどりのパッケージたちは、見ているだけでワクワクした。初心者セットが俺のところに届く前からずっとそこにあったはずなのに、普段何気なく利用しているカフェチェーンのそんなところにそんなふうにコーヒー豆が並んでいるということを今日はじめて知ったし、他にも意識していないがゆえの死角はまだまだ街のそこかしこに残っているんだろうと思った。

受け取る前に「挽きますか」と聞かれて、コーヒー豆は家でガーリゴォリするものという意識が出来ていた俺はつい結構ですと答えた。その数秒後に、数日前にキャパシティを超える量の荷物を運んだせいで両腕が今まさにひどい筋肉痛に苛まれていることを思い出した。あ、家に器具があるからといって店でやってくれるものをわざわざ断る必要はないのか……と気づくも時すでに遅しだ。そして、初心者セットにミルが付いていなかったのももしかしてそういうことなのか!? と急に気づいた。1ヶ月越しの伏線回収である。お店によっては豆を挽いてくれるところがあるんですね。ふるさと納税のサイトにお店の名前が書いてあったから、なんならウチのお店に持ってきてねということなのか。あ! スーパーのコーヒーコーナーにある謎の器具あれずっと謎に思ってたけどあれ買ってその場で挽いていいってことなのか! へえ! すみませんねぇ! 人に頼るという考えがなくてねぇ!

と言いつつもずっと豆で買い続けそうな気もしている。せっかく3Kもしたんだから元は取らねば。お店で挽いてもらってる間って無の感情で待つの? それもなんかね……。独り身なもんで消費速度も早くはなく、鮮度のことを考えると割と真剣にこれでいいような気もする。最初は苦行でしかなかったゴォリガーリだけど、やってるうちにあの独特の振動と音がなんか癖になってきた。色々試してちょうどいい粗さも分かった。帰りの電車で、ずっと鞄から香ばしいいい匂いがして、自分でも不思議なほどワクワクして嬉しい気持ちだった。